ついに登場した水素エンジン搭載バイク

水素エンジンを使った車両が発表される

国内の自動車・バイクメーカーは、ガソリンエンジンに代わるシステムの開発を急いでいます。
電動車の普及が進んでいますが、その中で日本は特に水素エンジンの開発に力を入れ、次世代バイクや自動車に搭載させることを目標としています。
その状況の中で、カワサキモータースはついに2022年の4輪レース・スーパー耐久シリーズにおいて、水素エンジンを搭載した4輪バギーのでも走行を実現させました。

以前からカワサキモータースは水素エンジンの研究を行っていて、2021年10月にはエンジンユニットを公開していました。
それが実際に搭載されたバギーが登場して、走りを見せたというのは大きな注目を集めました。
この水素エンジンは、4輪バギーに載せられていますが、基本的にはバイク用のものです。
ベースとなっているエンジンユニットもニンジャH2エンジンで、それを水素用に変更することで完成させているのです。

この水素エンジンは、998cc並列4気筒エンジンでスーパーチャージャー仕様となっています。
噴射方式はダイレクトとなっていて、水素燃料をダイレクトにシリンダーに噴射して点火することでパワーを得ています。
基本的な構造はガソリンエンジンとそう変わらないものですので、水素燃料の特性に合わせた調整をするだけで利用できるようになっているのです。

水素エンジンのメリット・デメリットとは?

水素エンジンを利用するメリットとしては、やはり環境性能という点が大きいです。
化石燃料であるガソリンは、二酸化炭素を排出し地球温暖化の原因となります。
その点、水素エンジンは燃焼によって水しか出ませんので、エコな運転ができるわけです。
しかも水素の爆発力はとても強いので、エンジン構造が進化していけば、効率よくパワーを得ることができてより質の高い自動車やバイクを作れる可能性を秘めています。

デメリットとしては、水素燃料のリスクを挙げることができます。
非常に爆発力が強いので、万が一パーツからの水素漏れや事故によってパーツが破損して漏れた場合などは大きな被害をもたらす危険があります。
そのため、より強固で安全性の高いパーツを作っていく必要があります。
さらにガソリンとは特性が異なりますので、ポンプやホースなどを水素燃料専用のものに置き換える必要性もあります。

もう一つのデメリットは、水素燃料を補給する手段がまだまだ少ないということです。
官民一体で海外の生産拠点から日本に水素を輸入する取り組みが始まっています。
そうした動きは見られますが、水素ステーションは全国にわずかしかなく、水素エンジン搭載のバイクや自動車が実用化されたとしても現状では燃料を入れるところが限られてしまいます。
これからの進展に期待が集まるところでしょう。