【チェーンとスプロケットの関係】
もともとオートバイは、自転車から派生したもので、自転車と同様にチェーンと組動輪によりタイヤを回転させ、バイク本体の動力源とするものです。
スプロケットとは歯車の事で、エンジンから伝達される軸の回転をチェーンに伝える事により、バイクを走らせるものです。
つまり、チェーンとスプロケットは、動力をタイヤに伝えるため、常に接触している状態にあります。
チェーンとスプロケットは、駆動系の要ともいえる存在で、エンジンをかけずにバイク本体を押すだけでも、その有難みを体感できます。
最近のバイクは、チェーンのリンク部に、オイルが封入されているシールタイプが一般的ですが、メンテナンスを怠ってしまうと、グリスが切れてサビに覆われてしまった悲惨なトラブルもあります。
【チェーンとスプロケットの重要性】
チェーンとスプロケットの関係は、前項で示した通りですが、バイク愛好者の中には、ただ走れればいいと考えるのか、メンテナンスをおざなりにしてしまう方もいらっしゃいます。
チェーンとスプロケットは、常に互いに干渉し、協力し合うことでバイクの動作を可能としています。
しかし、チェーンもスプロケット両方とも金属ですので、少しずつですが摩耗し続けています。
チェーンとスプロケットの重要性は、バイクを愛する方なら周知の通り、ほったらかしにすることにより、駆動輪への伝達能力が衰えていきます。
したがって、チェーンの各列にかかる荷重が、均分されないことにより、過度な圧力によってジェーンがちぎれてしまい、重大な事故につながる恐れがあるのです。
【チェーンとスプロケットの交換方法】
通常のバイクであれば、チェーンやスプロケットの交換は、バイク修理工場などに持ち込むという手もあります。しかし最近では、モトクロスを趣味とする、オフロード用のバイクを購入される方も多いのではないでしょうか。こうしたモータースポーツでは、チェーンとスプロケットの交換を頻繁にやることも多く、自分で行うことが普通です。そこで、チェーンとスプロケットの交換方法を、ステップ別に簡単にご紹介しておきましょう。
STEP 1:チェーンの撤去
STEP 2:スプロケットの摩耗の確認
STEP 3:スプロケットの取り外し
STEP 4:ダンパーラバーの破損の確認
STEP 5:パーツクリーナーで洗浄
STEP 6:スプロケットの交換
STEP 7:チェーンの交換
STEP 8:チェーンのたるみの調整
STEP 9:動作確認を行い終了
【交換のポイント】
チェーンとスプロケットの交換の目安としては、最近押し歩きが重くなった、ハンドルが取られやすいなどで、目に見える範囲で摩耗が気になるといった場合も交換の目安となります。ポイントとしては、前項のSTEP別に注意点を記しておきましょう。
STEP 1:チェーンの取り外しに関しては、チェーンカット&リベットツールを使って、リンクビスを力いっぱい打ち抜くと簡単に取り外すことができます。
STEP 2:大した距離を走行していなくとも、スプロケットの片面だけが削れている場合など、チェーンの稼働がうまく行われなかった場合もあります。
STEP 3:スプロケットの取り外し
STEP 4:ダンパーラバーの破損の確認
STEP 5:ドリブンフランジや、ダンパーラバーが乾燥した状態だと収まりづらいので、潤滑にメタルラバーやビードワックスを塗布しておく。
STEP 6:スプロケットの交換は、取り付けボルトは仮止めしてから対角線上に本締めしていきます。この時、薄くネジロック剤を塗布しておくと安心です。また、ドライブスプロケットハウジングの内側には、グリスがべったりと付着しているので、しっかり掻き落とした後にパーツクリーナーで洗浄しておきましょう。
STEP 7:チェーンの交換
STEP 8:チェーンのたるみの調整のポイントとしては、リアホイールのアクスルシャフトを、チェーン調整幅の中間程度の位置にしてチェーンをセットします。
STEP 9:適度な遊び量のチェーンを確保すれば、後は動作確認を行った後終了となります。