リターンライダー増加の背景
リターンライダーが増加している背景には、主にライフステージの変化と、経済的な要因が深く関わっています。
ライフステージの変化とゆとりの創出
多くのリターンライダーは40代から50代の中高年層です。
この年代は、若い頃に楽しんでいたバイクを、結婚や子育て、住宅ローンなどで一時的に手放していたケースがほとんどです。
子育てが一段落し、時間的な制約が少なくなったことが、再びバイクに乗り始める最大の理由の一つです。
「昔の趣味をもう一度楽しみたい」という気持ちが高まり、新たな趣味としてツーリングが選ばれています。
経済的な安定と憧れの実現
中高年となり、経済的な安定が得られたことも大きな要因です。
若い頃には手が届かなかった憧れの大型バイクや、高性能な輸入車を購入するゆとりが生まれたことで、「今こそ乗りたいバイクに乗る」という夢を実現しています。
ある調査では、ライダーの平均年齢が50歳を超えているというデータもあり、リターンライダーが市場の活性化に大きく貢献していると言えます。
昔と今のバイクの違い
リターンライダーが公道へ復帰する際、まず理解しておくべきなのは、現役時代と比べてバイクの性能や交通環境が大きく変化しているという点です。
高性能化と電子制御の進化
現在のバイクは、当時のバイクと比べて格段に高性能化しています。
特に大型バイクでは馬力や運動性能が飛躍的に向上しており、過去の経験からくる過信は大変危険です。
その一方で、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やトラクションコントロールシステムといった電子制御技術が普及しており、危険な状況での安全性が向上しています。
購入したバイクの特性と、これらの最新機能をしっかりと理解することが、安全運転の第一歩です。
交通環境の変化
バイク事故全体は減少傾向にあるものの、40歳から60歳代の中高年ライダーの事故は増加傾向にあり、リターンライダーの増加が一因と指摘されています。
加齢に伴い、動体視力や判断力の低下といった肉体的な変化があるにも関わらず、「昔取った杵柄」で運転経験があるという過信は大きな事故につながりかねません。
交通の流れや他の車両の動きも変化しているため、過去の感覚に頼るのではなく、慎重な運転が求められます。
安全に復帰するための心構え
安全にバイクライフを再開するためには、ブランクを埋めるための準備と、体力の維持が不可欠です。
復帰に向けた練習と体力の維持
まずは、すぐに長距離ツーリングに出かけるのではなく、近場で慣らし運転をしたり、ライディングスクールや安全運転講習に積極的に参加したりして、運転感覚を確実に呼び戻しましょう。
特に、ブレーキ操作や低速バランスなど、基本的な操作の感覚を取り戻すことが重要です。
また、バイクの運転は想像以上に体力を使います。
長時間安定した姿勢を保つためや、いざという時にバイクを支えられるように、日頃からウォーキングやジムでのトレーニングなどで体力を維持・向上させる努力も大切です。
ツーリングの計画を立てる際は、時間に余裕を持たせ、こまめに休憩を取るようにしましょう。
「昔の自分」との比較はせず、今の自分の体力とスキルに合った安全なライディングを心がけることが、長くバイクを楽しむための鍵となります。
